悪徳商法の最大のターゲットは高齢者

高齢者は狙われやすい

悪徳業者にとって最大のターゲットは老齢者です。
具体的には既に会社などを退職し、年金をもらいつつ悠々自適に生活をする60代後半から70代、80代の男女です。
いわゆる老齢者の多くは、時代的な制度によって若手世代よりも経済的に恵まれており、銀行や郵便局に多額の預貯金を持っています。
加えて最近のIT技術についての知識が乏しく、さらに若い世代の核家族化による会話の少なさもあって情報の収集ができず、詐欺的行為が近隣で行われていてもいざ自分の身に降り掛かってくるまで自覚がないということもよくあります。
また、老齢期特有の孤独感や不安感につけこまれるなど、心理的なゆさぶりに弱いということも問題を大きくしている一因です。

あらゆる詐欺のメインターゲットはお年寄り

振り込め詐欺も、メインターゲットとなっていたのはやはり老齢者でした。
電話口で巧みに騙し、携帯電話を持ったままATMで口座に多額の金額を振り込ませたという手口は、そのあとの銀行セキュリティ業務全体にまで影響を与えるほどの社会問題になりました。
他にも高齢者の多くに被害を与えている悪徳業者の種類としては、老朽化した住宅へのリフォーム詐欺や、俳句や小説などを新聞や雑誌に掲載するとうたった掲載詐欺、後期高齢者医療保険証を言葉巧みに騙し取る保険証詐取、年金や税金の還付があると騙して反対にお金を振り込ませる還付金詐欺などがあります。
高齢者だけでなく若者や中年にも被害が出ているものもあり、地デジ機器取付といって高価な機材を買わせる地デジ詐欺や、火災警報器の取り付け義務に乗じた報知器詐欺などです。

どうしてお年寄りが狙われやすいのか

それらに共通しているのは、老齢者を中心としした世間的な情報に疎い人を狙い、新しくできた制度を隠れ蓑として口八丁でお金を取ろうとする手口です。
毎日テレビやインターネットなどで世の中の動きを把握していれば、地デジや火災報知機のために数万円~数十万円もの機器を買わせようとするのはおかしいと思うはずですし、いくら制度とはいえ役人が直接家に来て通帳や保険証を持っていくなんてことはないと気づきます。
悪徳業者が老齢者を狙う理由は、情報収集力に弱いということに加え、年寄りとして周囲にバカにされたくないと思うあまり、おかしいと思っても誰かに相談を気軽にすることができないという心理面をつくからでもあります。
特に危険なのは一人暮らしの老人です。
親切な人だと思ってついつい個人的なことまで話し込んでしまったために、そこから詐欺にひっかかることもよくあります。