デート商法

デート商法とは

「草食男子」といった言葉も登場している最近ですが、若者世代では特に異性に対して積極的に自分からはたらきかけていくことが苦手な人が増えてきているようです。

そんなナイーブな今どきの若者心理につけこむようにして登場してきたのが「デート商法」と呼ばれる詐欺の手口です。

デート商法とは文字通りターゲットとする人に対して親しい態度を見せて近づき、何度かデートをすることで心を許させて高額の品物を購入させるといった方法です。

ターゲットにされた側にとっては、まさか相手が最初から詐欺をするために自分に近づいたというふうには思いませんし、男女の付き合いをしている相手からの頼みを断るのは信頼関係にヒビを入れてしまうことにもなると思い込んでしまうため、いらないと内心では思っていつつも言われた品物を購入してしまったりします。

場合によってはそのような買い物を何度も重ねさせた挙句に突然連絡がとれないようになってしまうというパターンもあり、あとから騙されたと分かったときには二重のショックを受けることになってしまいます。

WAOの事件

大規模なデート商法が行われた事例として耳に新しいのが大阪のソフトウェア販売会社「WAO」の事件です。

WAOは100万円にもなる高額の投資ソフトを販売する会社でしたが、その方法として美男美女を別の会社から派遣させ、町中などでターゲットを勧誘しデート商法により売りつけるという荒稼ぎを行っていました。

勧誘を行っていた男女は本職としてホストやキャバ嬢をしていた人たちであり、容姿が美しいばかりでなく話術にも長けていたため、かなり多くの被害者を生み出すことになってしまいました。

WAOの事件で最も大きな被害を受けたのが20代の独身の男女で、しかも最初のアプローチ方法にネット上の有名SNSが使われたことも大きな衝撃を社会に与えました。

現在の20代のほとんどがFacebookやモバゲーのようなSNSを使った交流をしているので、そこから個人情報を調べてターゲットを定め、積極的に近づくようにしていたのです。

SNSのプロフィール欄にはほとんどの人が顔写真や職業を載せているので、そこから恋人
の有無を判断し、年収に応じた近づき方をするといった非常に今どきの方法が駆使されていました。

なんとこのようなデート商法では、勧誘が成功した場合にはボーナスが支払われるといったこともあり、だます側もゲーム感覚で詐欺行為をしていたということもまた大きな問題でした。