結婚詐欺

悪質業者は魅力的な人間が多い?

詐欺の手口として相当昔から存在してきたのが結婚詐欺です。
ここ近年に大事件になった事例だけを挙げても、2017年5月10日に死刑判決が確定したことで知られる木嶋佳苗被告や、2015年末に詐欺と恐喝で逮捕をされた嶋崎司被告がいます。

他にも結婚詐欺によって逮捕をされたというニュースは数多く伝えられており、報道されないものを含めて被害はかなり大きいと思ってよいでしょう。

世間的なイメージとして「結婚詐欺をするような人間はとても容姿がよく、異性にモテまくるような人間なのだろう」と思われがちですが、実際の被害事例を見ると必ずしもそうとは言い切れない部分があります。

例えば連続不審死事件によって逮捕・起訴された木嶋佳苗被告などは、美女とは言い難い容姿にも関わらず何人もの男性を手玉にとってきたということで非常にセンセーショナルに報道されました。

ただし「モテる人が結婚詐欺をする」というイメージもあながち間違いというわけではありません。
結婚詐欺をはたらく人というのは男性・女性ともに自分の魅力をよく知っているということで共通しています。

また現代人にありがちな孤独感や焦燥感、捨てられることへの恐怖といった人の弱みを上手に見抜き、つけ込んでいくという能力に長けています。

むしろ「早く結婚したい」「ずっと一緒にいてくれる人が欲しい」といった人にとっては、モデルや芸能人のような美男・美女よりも親しみのある人の方が魅力的に映ることがあります。

プロの結婚詐欺師になるとそうした結婚に焦る人が集まる場所を漁場として見つけ、次々と釣り針を垂らしていく行動をとります。

「金銭問題のせいで結婚できない」は常套句

結婚詐欺の手口として古典的とも言える方法が、「金銭問題があるので結婚ができない」という相談です。

婚活パーティーや出会い系オフ会に出席をし、そこで恋愛経験がなさそうな内気なタイプの人を選んで積極的にアプローチをします。

最初のうちは非常に態度もよく、明るくて積極的にリードをしてくれることからついつい「運命の人かも」といった錯覚を起こしてしまいます。

しかしある程度付き合いが深くなってくると、結婚の話をしようとすると落ち込むような仕草を見せるようになります。

このとき自分からお金の話をしないというのがポイントで、悩みを聞き出させることにより自然にお金の問題を提示してきます。

「実家に借金がある」「家族が難病だ」といったことで数百万単位で金銭を要求し、それが解決すればすぐにでも結婚ができると言って何度も同じようにお金を出させていくというのがよくある手口です。

また預貯金や資産が空っぽになったタイミングで都合よく海外に出張になったりして姿を消すというのもパターンです。